HSPについて
HSP(Highly Sensitive Person)は持って生まれた気質であり、正常な特性です。
HSP (とても敏感な人)は、周囲の微妙な変化を感じ取るという、多くの場合長所と言える特徴を持っていますが、容易に物事に圧倒されやすいという面も持ち合わせています。
感受性が高く、才能豊かな人が多いのも特徴です。
普通の人が見逃してしまうような微妙なサインを自然に取り込んでしまうので、自分にとって最適レベルの神経の高ぶりの域を超えてしまい易いのです。そのため思ったように行動できなくなり、社交的でない人のように見られて苦しい立場に陥ることがよくあります。
ご自身や身近にHSPがいる場合は、HSPの敏感さと神経の高ぶりはセットであり、大切なパッケージであることを知っておく必要があります。
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HSPは、HSPでない人たちの中で長時間いると、緊張して実力を発揮できなくなったりすることもよくあります。
勤務先などで無理を強いられる経験をしてきた人もいることでしょう。HSPではない家族の中で、周りの理解を得られずに成長する場合もあると思います。
HSPでない人たちの中には直感的にHSPを見抜き、ストレスの矛先を向けてくる人もいます(なぜならHSPは「弱い」から)。その圧力をはね返すのは私たちにとっては並大抵のことではありません。
それでもHSPでないからといってパートナー関係を結べないという事は無く、大小の問題を抱えながらも試行錯誤しているカップルはいます。
底にあるのは普遍的な人間性であり、HSPも非HSPもつまるところ、資質の違いに過ぎないというように思うのです。
HSPは病気ではありませんが、「非常に感受性が強く敏感」な気質体質を持ちます。そして物事を繊細に捉えることができる人でもあり、直感型の人が多いような気がします。
その繊細な気質を、肯定的に価値あるものとして捉えた言葉がHSPです。HSPを定義したのは自身もそうである、アメリカの心理学者エレイン・アーロン博士です。
アーロン博士の著書「ささいなことにもすぐに『動揺』してしまうあなたへ」のオリジナル版は、アメリカで1996年に発売されて以来、ロングセラーとなっています。
翻訳本(2000年 講談社/冨田香里 訳)が日本でも出版されたことで、自分も著者のアーロン博士のような、あるいは本書に登場した人々のような経験を、少なからず持っていると思った方は多いのではないでしょうか。