HSPという概念
HSPは病気ではありませんが、「非常に感受性が強く敏感」な気質体質を持ちます。
HSPは物事を繊細に捉えることができる人でもあり、直感型の人が多いような気がします。
その繊細な気質を、肯定的に価値あるものとして捉えた言葉がHSP。
HSPを定義したのは自身もそうである、アメリカの心理学者エレイン・アーロン博士です。
アーロン博士の著書「ささいなことにもすぐに『動揺』してしまうあなたへ」のオリジナル版は、アメリカで1996年に発売されて以来、ロングセラーとなっています。
翻訳本(2000年 講談社/冨田香里 訳)が日本でも出版されたことで、自分も著者のアーロン博士のような、あるいは本書に登場した人々のような経験を、少なからず持っていると思った方は多いのではないでしょうか。
アーロン博士は著書「ささいな…」で、HSPを以下のように表現しています。
神経の高ぶりには個人差がある。
あなたは他の人が気がつかないような刺激にも気づいてしまう。
刺激はごく小さな音や微妙な色合い、あるいは痛みといった身体感化であったりもする。
これは別にあなたの聴覚や視覚、あるいは身体感覚が他の人より優れているということではない(事実、たくさんのHSPは眼鏡をかけている)。
この個人差は、外から受取った刺激をどれくらい丁寧に処理するかということにあるようで、感覚器官と脳までの間、あるいは脳の中のどこかに違いが存在すると思われる。
私たちHSPはあらゆることについて人より深く考えてしまう。
また私達は物事をより細かく区分けする。果物をサイズ分けするする機会でいうと、HSPは10サイズに分ける機械で、他の人は2サイズとか4サイズくらいにしか分けない機械だということだ。
この特徴の短所は、刺激の度合いが高くなると現れる。
普通の人にとっては「適度な刺激」が、HSPにとっては「かなりの刺激」になってしまう。
普通の人にとっての「かなりの刺激」は、HSPにとっては「耐え難い刺激」となり、あなたの神経は超限界抑制と呼ばれる遮断点を迎えてしまう。
エレイン・N・アーロン[著] 富田香里[訳] 講談社
「ささいなことにもすぐに『動揺』してしまうあなたへ」から抜粋